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グラールでの活動を、各キャラクターになりきって記録していくブログです
Posted by - 2024.05.05,Sun
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Posted by 「ざ」 - 2011.07.12,Tue
1:ガーディアンズの崩壊
     ムーズィカの日誌7ページ目


わからへん。なんであんなことできるんや。
同じヒトやのに、ヒトやないんか?
あんなに平気で
 
 
ちょっと落ちついた。
ヴォルトンさんは、やっぱりあのとき亡くなってはったけど、落下に巻きこまれる前に殺されとった。
それも笑ってヒトを殺すようなやつに。
亡くなってはったことはセオとお母さんに伝えなあかんと思う。
せやけど、こんな酷な最期やったと知ったらどうなるんやろうか。
 
ティフォーネが家に来たばっかりの頃、心を閉ざしてもうとって、ほんまに死んだような生気のない目しとった。
みんなで笑えるようになるまで何年かかったんやろう。
ティフォーネの場合は目の前で親御さんが亡くなってんからショックも大きかったやろうと思うけど、これも二人にとっては十分ショックやと思う。
もし、うちがこのことを詳しく伝えたら、もっとすると、あの映像を見でもしたら、どうなるかわかるわけない。
 
話さへんというのもある。
知らへんほうが幸せなこともあるかもしれへん。
そのかわり、うちは二人に嘘つくことになる。
いや、知ったこと全部話すとは言うてへんから、嘘ではないかもしれへんけど、隠し事をすることになる。
たぶん、一生。
それでうちは、ほんまのことを言わへん後ろめたさを背負い続けられるんやろか。

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Posted by 「ざ」 - 2011.07.06,Wed
1:ガーディアンズの崩壊
     ヴォルトン研究室からの映像記録


ティミドが最新の記録を再生すると、正面を向いた中年のヒューマン男性の顔が現れた。
頬がこけぎみで、目元にもうっすらくまが浮かんでいる。
喉を鳴らして調子を整えてから、日付と、これが百三十七回目の実験であることを述べる。
そして、記録者はプロジェクトリーダー補佐、ヴォルトン・アーテクトと名乗った。
実験の目的はイルミナスが開発している大量破壊兵器に対抗する装置の研究、
これから行うのはAフォトンのエネルギーに同等のエネルギーをぶつけ、
対消滅させる試みであると続けて、それから奥に見える実験装置の方を向いた。
カメラもそこに近づいていく。
 
他に二人の研究員が自分の持ち場で作業しているのがわかる。
ガラスの手前に配されている装置の上にはホログラムが浮かび、
目で追うには難しい量の情報が流れている。
ガラスの向こうにはAフォトンリアクターが設置されている。
ヴォルトンは担当箇所に立ち、実験開始を他の者に告げる。
リアクターが動作し始め、ガラス越しに耳鳴りのような特有の甲高い音が漏れてくる。
研究員は皆、ホログラム上のデータを通して真剣に実験の推移を伺っている。
 
突然、カメラの後ろの方から発砲音と怒号が響いた。
全員がハッとしてカメラが向く反対側を見つめる。
扉が開き、何者かがゆっくり研究室に入ってくる音が聞こえる。
おはよう諸君、と語尾をやや伸ばした若い男らしき声。
足音が近づき、カメラが吹き飛ばされたのか、映像が大きく乱れる。
 
元に戻ると今度は部屋を横から見た構図になっていた。
ちょうど画面の左にヴォルトンがおり、右に一人研究員ではなさそうな男が立っている。
中肉中背、露出した腕は引き締まって見える。
口の端をややつり上げ、ニタニタと楽しそうだが、微笑んでいるというよりは嘲笑っている。
右手には短銃が握られている。
招かざる客であると察したヴォルトンは、
「表には警備の者がいたはずだが」と問う。
男はますます口を歪ませ、
「説得や買収でもしたと思ってらっしゃる?」と大仰に両手を広げる。
「若いお二人には死出の山に旅立っていただきました」
芝居がかった物言いで声高に笑い始めた。
 
ヴォルトンが声を荒げて目的を聞き出そうとする。
だが、けたたましく鳴り始めた警報に遮られる。
全員が何事かといぶかしむと、男は両手を力なくおろして天井を仰いだ。
もう時間切れか、と呟くとヴォルトンに向き直り銃をかまえた。
笑みは消えている。
「ここのリーダーさんは、あんたか?」
と問われ、彼は警戒しつつ肯定した。
途端に男は引き金をひいた。
しかし、くずおれたのは横にいた若い研究員だった。
狙われていたのが自分ではなかったことに途惑いつつ、
ヴォルトンは撃たれた研究員の傍にしゃがみこんだ。
「本当は女がいいんだ。でもいないからしょうがねえ、あんたでいいや」
言いながら男はまた発砲した。
今度はカメラの近くの研究員が倒れ、画面端に流れ出る鮮血が映った。
 
なんてことを、とヴォルトンは歯をくいしばって男を睨みつける。
男は先ほど同様嬉々としている。
「悔しさをにじませつつも、無力でどうしようもない。たまにはそういう表情もいいねえ」
一歩一歩踏みしめるように近づき、目を細め、彼の顔をなめるように見下して男は言う。
耐えかねたのか、出口に近い一人が外へと走り出したが、
男はそちらを向きもせず後ろ手にその研究員を撃ち抜いた。
 
「研究データが目的なら早く持って行け! 我々の命は関係ないだろう!」
相手を制しようとなるべく大きな声でヴォルトンはそう言った。
が、片手で両頬を下から締め上げられ口をふさがれる。
「違う違う、お前らの命が目的なんだって」
そう言いつつ、恐怖に震えていた最後の研究員も撃ち殺す。
「ガジェットを無効化されても困るし、お前らは一度はイルミナスに加担したんだ。
制裁って意味もある」
イルミナス、という言葉に反応しヴォルトンは身じろぐ。
「親切なことに説明してやると、今このコロニーは襲撃、虐殺の真っ最中。
ほっといても死ぬんだろうが、念には念をいれて俺が遣わされたんだよ」
男が手を離し、言葉を発しようと口を開いたところに銃口がつきささる。
「さらに言うとだ。
一人を生かして、他を殺して、じわじわ恐怖を与えるのは」
上目づかいのまま男の顔が迫っていく。
「俺の趣味だ」
 
一拍の間をおいたあと、最後の銃声が轟いた。
男は立ち上がり、コングラッチュレーションと歓喜の叫びをあげ、
今まで以上の高笑いを残して去っていった。
そこから先は静止画のように惨劇が起こった現場が晒され続け、
コロニーの大気圏突入による振動と崩壊で終わった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次回(7月12日)の更新予定は、

ムーズィカの日誌7ページ目

ティミドの音声記録ファイル6

の二本です。
お楽しみにっ!

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Posted by 「ざ」 - 2011.06.29,Wed
1:ガーディアンズの崩壊
     ティミドの音声記録ファイル5


――はあ、受付で一時間も待たされるとはな、縁起のいいことでこの大盛況ならいいんだが。
 
ヴォルトンってAフォトン研究者の情報をくれ。
Aフォトンに関する情報はいい。知りたいのはそいつの行方だよ。
身内に報告するための確認だ。
 
閲覧制限?
このどさくさに紛れりゃその程度の情報もれたってたいして問題になりゃしねえよ。
……チッ、石頭め。
だったらいいぜ、"アレ"のこと、バラすからさ。
 
情報収集にちょっとかかるってよ。
ん? ティフォーネ、か。
その様子だとお前は無事みたいだな。
こっちはチビを回収してムーズィカと一緒だ。
なんだ、ナンパ男と一緒なのか、手出されてないか?
下心感じたらとりあえず殴っとけ、あたしが許す。
そうか、じゃあ待ってるぞ。
 
ブルーフィーター置いてねえのか、この部屋。
ん、来たか、さて……。
あいつ、行動記録だけでいいっつったのに、余計なもんまで送りつけやがって……。
おい、逃げようとすんじゃねえよ、お前も手伝うんだよ。
と言っても必要なのは行動記録だけなんだからあたし一人で十分か。
 
これか、プロテクトかかってんな。
ふん……、解除だおら。
この程度のセキュリティ、イルミナスでもハックできそうだなおい。
 
やっぱヴォルトンは外周部の研究室から動いていないな。
……ん? 警護チームまで動いてないのは妙だな。
すぐさま避難させるもんだと思うが。
 
なんだよ、室内カメラの映像ファイル?
時間は、ほぼ落下直前か。
……開いてみるか。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回、更新が2日遅れてしまいました。ごめんなさい。

次回(7月5日)の更新予定は、

ヴォルトン研究室の映像記録

です。
お楽しみにっ!

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Posted by 「ざ」 - 2011.06.29,Wed
1:ガーディアンズの崩壊
     ムーズィカの日誌6ページ目


うちはティミドとセオのお父さん――ヴォルトンっていうらしい――のことを調べるために仮説本部の受付に向かった。
せやけどやっぱりいろいろ混乱しとっててんやわんやな感じ。
情報開示の申請はティミドが交渉して受け付けてくれたけど、しばらく待たされることになった。
 
待ってるあいだにうちらはティフォーネから連絡をもらった。
レオーネも一緒みたいで、二人でローゼノムシティで救援活動してるらしい。
ティフォーネの声を聞くんは久しぶりで、無事やったことと、向こうも心配してくれとったことが嬉しかった。
ティフォーネはしばらくしたらこっちに来るつもりらしい。
そわそわするなあ、はよ会いたいなあ。
 
ティミドがいちいち本部に出向くんは面倒言うから、申請した情報はうちの部屋の端末に転送してもらった。
思ってた以上に量が多かったけど、ほとんどはAフォトンに関する研究資料やったから、当日の行動記録はすぐ見つかった。
せやけど見ようとしたらプロテクトに邪魔されてもうた。
保護対象やからやろうけど、うちらにプロテクトを解く権限はあらへん。
うちは見れるヒト探そう思たけど、気づいたらティミドがどうやってか無理やり解除しとった。
これ、バレたらまずい気がする……。
 
記録では、やっぱりヴォルトンさんはコロニー落下直前まで研究室におったことになっとる。
ただ、護衛任務で待機しとったはずのチームが避難させようとしてなかった――これ気づいたんはティミド――。
 
うちは他に手がかりないかと思って研究資料のほうを流し見しとった。
そしたら、落下直前に撮られた研究室内の映像記録があった。
もしかするとこれが決め手になるかもしれへん、と見てみることにした。

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Posted by 「ざ」 - 2011.06.21,Tue
1:ガーディアンズの崩壊
     ティミドの音声記録ファイル5


ようやくシャトルが復旧か、やれやれ……。
 
荷物を片付けたら出る。助かったよ、ありがとう。
落ちついたら連絡するさ。
――ああ、わかってるさ。
お前こそ、もう少し部屋の整頓に気を配ったほうがいいぞ。
――あたしはちゃんとしてる。いや、意外じゃねえよ。
 
じゃ、身の安全には気をつけてな。
ちょっとでも危険かも、と思ったらすぐその場を離れろよ。
大げさなくらいがちょうどいいんだからな。
現役ガーディアンズが言うんだから間違いねえよ。
 
 
ガーディアンズコロニー……、ずいぶんと小さくなったもんだ。
 
あぁ、あー……、相変わらずシャトルのシートは体に合わないな。
居住区は無事っつっても、やっぱり被害はあるな、通行禁止だらけだ。
さて、ムーズィカが迎えに来てるはずだが――うわっ!
ば、っか……、離れろ……! いきなり全力で抱きつくな、絞め殺す気か!
 
あー、うるせえうるせえ、熱烈歓迎はもう十分だ。
声でかすぎで耳鳴りがする。
ん、何だその坊主は。
――へえ、珍しくらしいことをやったな。
そうだな、その話はチビを研究部の連中にあずけた後だ。
ずっとおぶってるのは腰に悪い。
 
さて……。
おい坊主、メセタカード貸してやるから飲み物三人分買って来い。
ついでに欲しい菓子でもあったら一緒に買っていいぞ。
――いいから、言ってこい!
 
さっきの話だがな、その状況なら確実に死んでるぞ。
もし脱出してたら、通信が回復した時点で連絡くらいいれるだろ。
その母親だってわかってるだろ、もう諦めてるんじゃないのか。
へたに生きてるかもと希望をもたせて、結局死んでましたってのは余計に酷だぞ。
――わかった……、つきあってやるよ。
けど出てきた事実は受け入れろよ。
 
坊主の親父はAフォトンの研究者だったんだろ?
ならガーディアンズの保護対象だったはずだ。
Aフォトン研究者はイルミナスから狙われてたからな。
失踪直前までの行動記録くらい残ってるだろ。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次回(6月28日)の更新は、

ムーズィカの日誌6ページ目

ティミドの音声記録ファイル5

の二本です。
お楽しみにっ!

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